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真空成形のブリッジについて(不具合解消方法)

真空成形 ブリッジ

真空成形では、シートを型取りする過程でシワが生じる場合があります。このシワはブリッジ(「水かき」「ひきつり」とも)とも呼ばれ、成型時の不具合のひとつに数えられます。ブリッジが発生する原因は、雄型成型においてシートが型に密着する過程で縦方向には伸びるものの、横方向には縮められるため、結果として両端からシートが寄り集まることになります。このシワ寄せがブリッジです。ここでは真空(圧空)成形でブリッジが出やすい金型のタイプやブリッジを解消するためのアシストプラグとその材料、ブリッジ以外の成型形状不具合などを解説します。

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真空(圧空)成形でブリッジが出やすい金型

真空(圧空)成形でブリッジが出やすい金型

真空(圧空)成形でブリッジが出やすい金型としては、深さがある金型や幅が狭い部分がある金型などが考えられます。ここでは深さがある金型と幅が狭い部分がある金型それぞれについて説明します。なお、ここでは加熱軟化させた熱可塑性樹脂のシートを、圧縮空気によって成形型に密着させて成形する圧空成形と真空成形を同じ工法と位置づけて使用します。

深さがある金型

真空成形で深さがある金型を使用した場合、シートをうまく引けない場合があり、結果としてブリッジが生じてしまうケースがあります。そのためシートを引いたタイミングで金型よりもややサイズの小さいプラグと呼ばれる治具が利用されます。このプラグを押し込むことでシートがきれいに伸び、しわのない成形品となります。また、プラグはシートの肉厚を均一にすることもできるため、深さがある部分でも均等な強度を持ったプラスチックトレーなどを成型可能です。

幅が狭い部分がある金型

幅が狭い部分がある金型も深さがある金型同様、シートをうまく引けない場合があり、ブリッジが発生してしまうことがあります。幅が狭い金型もプラグを使用することでブリッジの発生を回避できる可能性が高まります。

真空成形のブリッジ消しのためのアシストプラグ

前述のとおり、真空成形でブリッジ(ウェブを含む)が出ないようにするには、プラグと呼ばれる補助的な治具を使うのが効果的です。プラグを用いた成型方法はプラグアシスト成形やプラグアシスト法とも呼ばれます。プラグはかつては手作業で製造されるものも少なくありませんでしたが、近年はレーザー加工機による高精密なプラグが広く使用されています。プラグは成形品の厚さ、肉厚を調整するために使用されることもあります。プラグにはオス型成形用(凸型)のものとメス型成形用(凹型)の2種類があります。ここでは凸型(ドレープフォーミング)の場合と凹型(ストレートフォーミング)の場合それぞれの使用時の注意点などを解説します。

凸型(ドレープフォーミング)の場合

凸型成形は、金型があたる面の精度が高いのが特長です。凸型の場合、金型に当たるのは多くの場合内側となりますが、製品を美しく仕上げたり、天面に強度を持たせることが可能な成形方法です。一方、金型があたらない面、多くの場合外側となりますが、外側は精度が出にくくブリッジをはじめ、「ダブリ」や「偏肉」などの不具合が出やすく、真空成形においては凹型成形と比べて高い技術力が求められます。ブリッジやダブリ、偏肉の改善方法としては、プラグアシストをするタイミングやプラグ形状の工夫などが有効です。ほかにもブリッジが出にくい設計をしたり、金型にブリッジが出にくい加工を施すといったノウハウが求められます。凸型用のプラグには穴が空いており、ブリッジ部分にプラグを押し当て圧力を加えながらシワを伸ばしていきます。

凹型(ストレートフォーミング)の場合

凹型成形はへこんだ金型に合わせて加熱した材料を吸引する成形方法ですが、凹型成形は、金型があたる面、多くの場合外側の精度が高く、製品の外側の形状を正確に出したい場合に効果的です。一方、金型があたらない面、多くの場合内側は精度が出にくいといった難点があります。メス型用プラグでは、ブリッジが生じているシート部分にプラグのでっぱりを挿入してシワを伸ばしていくのが一般的です。

真空成形のブリッジ解消に使用するアシストプラグの材料

真空成形のブリッジ解消に使用するアシストプラグの材料をご紹介します。ここではベニヤや樹脂、アルミをご紹介します。

ベニヤ

ベニヤはブリッジ解消のためのアシストプラグに使用される主な材料のひとつです。ベニヤを使用するメリットとしては安価な点があげられます。真空成形はその技術的特性により、凸型あるいは凹型いずれかの金型があれば成型できるため、型費用は射出成形などと比べてもともと安価ですが、アシストプラグにベニヤを使用することでさらなるコストパフォーマンスを得ることができます。安価な分、強度は高いとはいえません。

樹脂

樹脂もベニヤと同様、真空成形のブリッジ解消のためのアシストプラグに使用される主な素材です。ベニヤと比べてコストはかさみますが、耐久性はベニヤを上回ります。樹脂プラグの材料としては、ベークライトなどの熱可塑性樹脂などがたびたび使用されます。ケミカルウッドが使用される場合もあります。

アルミ

真空成形のブリッジにはアルミが使用される場合もあります。アルミのプラグも他材料のプラグと同様、成形したい形状そのものではなく、オフセットさせた形状を簡略化した形状となっています。具体的には4辺を枠板で囲うボックスになっており、成形機械に応じた真空エアー穴と圧空エアー穴用の逃がしが設けてあるのが一般的です。

真空成形で見られるブリッジ以外の成型形状不具合

真空成形で見られるブリッジ以外の成形形状不具合をご案内します。ここでは素材と金型が密着せずに隙間ができてしまう現象を指す「ダブリ」、素材の厚みに偏りが出てしまう「偏肉」(厚み不足)、樹脂材料がはみ出した状態の「バリ」(抜き不良)、ブリッジと同様のシワによる不具合「ウェブ」を解説します。

ダブリ

ダブリは素材と金型が密着せずに隙間ができてしまう現象を指します。ダブリは前述のとおり、凸型成形に見られる不具合で、金型があたらない面、多くの場合外側は精度が出にくく、ダブリや偏肉などの不具合が出やすくなります。改善方法としてはアシストプラグの調整が効果的ですが、そのほかにも成形機の温度設定や型温の調整などがダブリの回避には有効です。

偏肉(厚み不足)

偏肉はその名のとおり、素材の厚みに偏りがあり成形品全体の厚みが一定ではない状態を指します。特に高さがある製品や抜き勾配が少ない製品、角Rが小さい製品などは、真空成形で加工すると過度な偏肉が発生する場合があるので注意が必要となります。偏肉の改善方法としてはプラグの調整のほかに偏肉が起きにくい設計をするのも重要です。偏肉が発生しやすい高さがある製品や抜き勾配が少ない製品、角Rが小さい製品などは、真空成形ではなく、熱プレス成形のほうが適切な場合もあります。真空成形と比較すると、熱プレス成形は材料をクランプしていないため、偏肉が発生しにくいといった利点があります。

バリ(抜き不良)

バリは金型の隙間に樹脂材料が流れ込んでしまい、樹脂材料がはみ出してしまっている状態で抜き不良とも呼ばれます。バリの断面はささくれ立っており、触れるとケガをする場合もあって危険です。バリは特に厚みのあるシートをプレスする際に発生しやすくなります。また、プレス機の精度によっても発生頻度にバラつきが出る不具合となります。バリが出る原因としては差出出力が高い場合や、型締力が足りない、樹脂の充填量が多すぎるなどの要因が考えられます。バリは真空成形でひんぱんに見られる不具合のひとつです。

ウェブ

真空成形の凸型で成形した時に生じる末広がりになったシワをウェブと呼ぶことがあります。基本的にブリッジもウェブも同じシワですが、凸型使用の際の末広がりのシワに限ってウェブという専門用語を用いる場合もあります。ウェブが起きた状態をウェビングと呼ぶこともあります。

真空成形のブリッジ対応は三光ライト工業にお任せください

三光ライト工業は高度な真空成形技術でお客様のニーズにきめ細かく対応します。弊社は高度なノウハウを駆使し、ブリッジはもとより、ダブリや偏肉、バリなどのあらゆる不具合を限りなく抑えた高機能製品を低価格、短納期でご提供します。弊社は試作から金型製作(真空成形金型は除く)、量産、完成品、包装に至るまで自社工場で一貫対応しますので、試作段階でのデザイン変更などにも柔軟かつスピーディーにお応えします。なお、弊社は金属型のみで木型は生産しておりませんのでご了承ください。弊社は真空成形に加え、射出成形や2色成形、LIM成形でも高い技術を有しています。なお、ブロー成形は対応しておりません。素材についての知見も豊富でPS(ポリスチレン)、PP(ポリプロピレン)、PVC(ポリ塩化ビニル、塩ビ)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリカーボネート)、PMMA(メタクリル酸メチルエステル)、AES(アクリロニトリル・エチレン・スチレン共重合体)など、あらゆる材料の取り扱い実績が豊富です。成形品も幅広く携帯電話筐体、携帯電話電池カバー、車載用内装部品、防水コネクターカバー、真空成形トレイ、工業用トレイ、ブリスターパック(成形した部分に商品を収め、成形品と台紙を熱圧着した製品)など様々な製品をご提供します。真空成形トレイは内容物を確実に保護、支持し、高い評価を頂いています。プラスチック成形品のことであれば何でもお気軽におたずねください。ご連絡お待ちしています。

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