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真空成形樹脂 PET(ポリエチレンテレフタレート)について

真空成形 PET

真空成形で使用する熱可塑性樹脂のひとつにPET(ポリエチレンテレフタレート)があります。PETはその名のとおり、ペットボトルをはじめフィルムや磁気テープの基材、フリースなど衣料用の繊維としても使用されています。真空成形材料としても広く使用され、様々な製品に成型されます。ここでは真空成形材料PETの特性やPETを使用した主な真空成形製品、真空成形の高機能シート、PET以外の真空(圧空)成型プラスチック材料、真空成形以外でPETを使用する成型工法などをご紹介します。

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真空成形材料 PETの特性

真空成形材料PETの材質特性を解説します。ここでは「透明性」「耐衝撃性」「対候性」「耐熱性」のそれぞれの観点から、PETとはどのような素材であるかをご紹介します。なお、三光ライト工業はPETを使用した真空成形品で豊富な実績があります。PETに関するあらゆるご質問にお答え致しますので、いつでもお問い合わせください。

透明性

PETの光透過率は80%強で、透明性は高い素材です。特に溶融状態のPET樹脂を急冷することで作られる非結晶性のA-PETは透明性が高く、スーパーやコンビニなどにある総菜パックやデザート容器などに使用されています。食品以外では化粧品などを収納するクリアケースやブリスターパックなどにも使われています。またA-PETはしなりやすく、柔軟であることから塩化ビニル(塩ビ)の代用品として使われてきた経緯があり、身近なところではクレジットカードやキャッシュカードなどに多用されています。

耐衝撃性

PETは透明度ではアクリルに及びませんが、耐衝撃性で比較すると、アクリルの約4倍もの耐衝撃性を持ち、割れにくいのが特長です。ただし、同じ透明素材であるポリカーボネートの耐衝撃性を上回ることはないため、極めて高い衝撃性能が求められる製品ではポリカーボネートが使用される傾向にあります。

対候性

PETの耐候性は総じて低く、紫外線により劣化しやすいのが難点です。そのため屋外での長期間の使用には耐えられず、色調の変化などが生じます。ただし、グレードによっては対候性を高めたPETも開発されており、自動車外装部品に採用されているケースもあります。

耐熱性

PET樹脂は耐熱性に優れており、繊維強化した場合の熱変形温度は240℃ともいわれます。ポリプロピレンの融点は168℃なので、プラスチックの中では高いといえます。また、連続耐熱温度も150℃と高い水準にあります。 一方、低温環境ではマイナス60℃まで問題なく利用でき、上下限の幅が広い素材といえます。温かい飲料や冷たい飲料を飲むのに適していることからも、ペットボトルの製造に最適な素材といえます。

真空成形材料PET 非晶性PETと結晶性PET

真空成形材料PET 非晶性PETと結晶性PET

真空成形材料であるPETには非晶性PETと結晶性PETがあります。プラスチック樹脂は、長いひも状の高分子が絡み合って構成されており、加熱され溶融状態となった樹脂は、分子運動している状態となります。溶融状態から一定の温度に低下し固化するとき、非晶性樹脂と結晶性樹脂とでは、分子の停止状態に違いが生じます。ここでは非結晶PETと結晶性PETとの違いを解説します。

非晶性PET

非晶性PETはその名のとおり、結晶化させていないPETです。溶融樹脂の温度がある温度まで低下すると、分子運動が停止しますが、その際分子どうしが不規則に絡み合ったまま固化するのが非晶性樹脂です。PET以外の主な非晶性樹脂としては、PVC(ポリ塩化ビニル)、PS(ポリスチレン)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、PC(ポリカーボネート)などがあります。

結晶性PET

結晶性PETは樹脂の温度が結晶化温度まで低下し、固化したとき、分子が規則的に並んだ結晶部分を持つPETです。結晶部分の構造は「折りたたみ構造」とも呼ばれる場合があります。PETを除く主な結晶性樹脂としてはPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PA(ポリアミド)、POM(ポリアセタール、ポリオキシメチレン)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、LCP(液晶ポリマー)などがあります。

<H2>熱可塑性樹脂PETを使用した主な真空成形製品

熱可塑性樹脂PETを使用した主な真空成形(凸型または凹型使用)製品をご紹介します。ここでは各種トレーやブリスターパックをご紹介しますが、PETを使った真空成形製品は極めて多岐にわたります。三光ライト工業は各種トレーやブリスターパック以外にも様々な真空成形品で豊富な実績があります。お気軽にお問い合わせください。

各種トレー

真空成形トレーは保管、管理、運搬、搬送、搬入など様々な用途を持ち、PETを使用したものが連日大量生産されています。三光ライト工業ではPETのほかにもPP(ポリプロピレン)やPS(ポリスチレン)などを使用して高精度、高品質の真空成形トレーを製造しています。ぜひお問い合わせください。

ブリスターパック

ブリスターパックは板状プラスチックをバキュームフォームなどで成型し囲み込み、台紙や同素材のプラスチックに接着した物やスライド式着脱可能な包装のことです。ブリスターパックの製造にはたびたびPETが使用されており、日用雑貨や菓子、薬剤などに使用されています。特に錠剤では気密性や防湿性が求められ、PTP (Press Through Package:プレス・スルー・パッケージ) と呼ばれることもあります。

真空成形の高機能シート(PET以外)

PET以外の素材を使用した真空成形の高機能シートをご紹介します。ここでは住友ベークライト製「カイダック」、積水成型工業製「タフビロン」「カイデックス」、レゾナック製「ラミスタック」のそれぞれの特性などをご紹介します。

カイダック

カイダックは住友ベークライトが製造する優れた耐衝撃性・耐薬品性・成形性を兼ね備えたアクリル変性高衝撃塩化ビニル板です。カイダックはシート成形の特長を活かすことができる成形材料品で、極めて成形性が良く(成形倍率6倍)、複雑な深絞り成形曲面形状の意匠性が大幅に向上します。 小ロット、多品種による射出成形品からのコスト低減も可能です。

タフビロン

タフビロンは積水成型工業が製造する様々な機能特性と優れた熱成形性をあわせもつ、ハイスペックなアクリル変性高衝撃プレートです。真空・圧空成形をはじめ、深絞り成形にも対応します。また、難燃性、耐衝撃性、耐薬品性にも優れており、車両、医療機器、各種ハウジング内装部材、産業資材など、様々な分野で使用されています。

ラミスタック

ラミスタックは株式会社レゾナックが製造する高輝度メッキ調シートです。光沢、色調、外観に優れており、塗装した製品に近い外観に仕上がります。ラミスタックは塗装・メッキと同様の仕上げが可能であるため、コストパフォーマンスに優れた材料として市場で高い評価を得ています。ラミスタックは小ロットにも対応するほか、インモールド成形も可能です。また、熱成形可能な多層シートでリサイクル可能な素材を使用しています。ラミスタックの用途は極めて広く、一例を挙げるとゲーム機カバー、ルーフボックス、キャリア、医療機器カバー、農機カバー、什器などに使用されています。

カイデックス

KYDEX(カイデックス)は積水成型工業が製造する抜群の成形性と難燃、低発煙を兼ね備えた高機能製品です。航空機、車輌、医療機器、各種ハウジングなど幅広い分野で用途に対応したグレードをラインアップしています。カイデックスは深絞り成形が容易であるのに加え、高水準の抜群の加工性などが市場で極めて高く評価されています。

PET以外の真空(圧空)成型プラスチック材料

PET以外の真空(圧空)成型プラスチック材料をご紹介します。ここではAES(アクリロニトリル-エチレン-プロピレン-ジエン-スチレン)、PMMA(ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂)、PVC(ポリ塩化ビニル、塩ビ)、PC(ポリカーボネート)、PP(ポリプロピレン)、ABS(アクリロニトリル -ブタジエン -スチレン共重合合成樹脂)、PS(ポリスチレン)、PE(ポリエチレン)、PEs(ポリエステル)のそれぞれの材質特性について解説します。

AES(アクリロニトリル-エチレン-プロピレン-ジエン-スチレン)

AESはPETと同様、透明性や一定の強度を持つ素材で、真空成形でひんぱんに使用されています。PETにはない対候性も兼ね備えているため、屋外での使用も可能です。コストパフォーマンスの高い材料着色材として広く使用されています。

PMMA(ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂)

PMMA、いわゆるアクリル樹脂はPETと同様、透明度が高い素材で、アクリル板をはじめ窓材や照明器具などの建材、電子部品、道路標識などの産業用資材に幅広く使用されています。アクリル樹脂は真空成形での使用も可能ですが、割れやすいといった難点があるため、各種機械のカバー、車やバイクのウインカーレンズ、LEDライト部材などの透明部品にはPMMAよりも耐衝撃性の高いポリカーボネートが使用される傾向があります。

PVC(ポリ塩化ビニル、塩ビ)

PVC(硬質、軟質)はPETと同様、耐熱性を有していますが、繊維強化したPETの熱変形温度は240℃ともいわれるため、耐熱性ではPETが上回ります。PVCも真空成形での使用が可能ではありますが、成形倍率が高いとはいえないため、一定のノウハウが必要です。

PC(ポリカーボネート)

PCの光線透過率は85~91%と、PET同様に透明度が高い素材で、ガラスやアクリルとほぼ同等の透明度を有しています。また、ポリカーボネートはプラスチック類でもっとも耐衝撃性に優れており、その水準は同じ厚みのガラスの約200倍、アクリルの約30倍ともいわれます。こうした特性を生かし、真空成形材料としても幅広く使用されています。

PP(ポリプロピレン)

ポリプロピレンは非常に軽量ながらも強度や耐衝撃性、耐薬品性に優れています。耐久性が高く、環境負荷が低いため、PETと並ぶリサイクル素材のひとつです。ただし、PETと同様、対候性が低く紫外線によって劣化しやすいため、適切な使用条件が求められます。真空成形で使用する場合、精度を要求される製品には向いていません。

ABS(アクリロニトリル 、ブタジエン 、スチレン共重合合成樹脂)

ABSはアクリロニトリル、ブタジエン、スチレンの3種類の材料を合成したもので、様々な形状の成形や光沢仕上げに用いられます。透明度については、ABSもPETと同様、透明に見えますが、PETと比べるとやや色味がついています。ABSは塗装やメッキなどを含む表面加飾が施しやすく、真空成形でもひんぱんに使用されています。PETと同様、対候性には優れないため、屋外環境製品では耐候性を高めたAES樹脂が使用される機会が多くなっています。

PS(ポリスチレン)

PSもPETと同様、透明性が高いうえ、耐衝撃性も兼ね備えていますが、最大の特長は安価な点にあります。コストパフォーマンスに優れるほか、成形時の寸法安定性も兼ね備えています。ただし、PSは耐熱性、耐衝撃性、耐薬品性には乏しく、使用上の注意が必要です。

PE(ポリエチレン)

PEは豊富な生産量を背景に原料価格の安い熱可塑性樹脂です。なおかつ加工性に極めて優れることからレジ袋、ラップ、タッパーなどの原材料となっています。PETと同様に低温には強い一方、PEは70℃以上の高温環境には弱いといった難点があります。真空成形での使用は限定的で、代替材料としてPPのほうが使用機会は多くなっています。

PEs(ポリエステル)

ポリエステルは数々ありますが、そのなかで最も多く生産されているのはテレフタル酸とエチレングリコールから製造される、ポリエチレンテレフタラート (PET)です。ポリエステルは真空成形でもひんぱんに使用される素材のひとつです。

真空成形の材料について
真空成形の材料について

真空成形(圧空成形含む)の主な材料である熱可塑性樹脂のうち、PMMA、AES、PVC、PSのそれぞれの特性や、真空成形と射出成形材料の違いについて

真空成形以外でPETを使用する成型工法

真空成形以外でPETを使用する成型工法をご紹介します。ここではブロー成形と射出成形を解説します。なお、三光ライト工業はブロー成形は対応していませんが、射出成形でも豊富な実績があります。最新鋭の全自動射出成形機も複数設備しており、お客様のご要望にきめ細かく対応します。

ブロー成形

ブロー成形は熱可塑性樹脂の内側から空気を吹き込んで成形することから、「吹込み成形」や「中空成形」とも呼ばれます。ブロー成形はその技術的特性により、ペットボトルや液体化粧品、自動車のガソリンタンクなど空洞の樹脂成形品の製造に多用されます。ブロー成形(中空成形)には、PETのほか高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエ チレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニ ル(PVC)などの樹脂がひんぱんに使用されます。

射出成形

射出成形でPETを使用するには、結晶化速度を速めながら結晶化度が上がらないようにして粘度調整する必要があるなど高度なノウハウが必要です。その点、三光ライト工業は確かな射出成形技術を駆使して、あらゆる射出成形品を低価格、短納期でご提供します。

射出成形について
射出成形について

プラスチック製品を製造する最も一般的な工法で、目的の形状の製品を作り出します。

PET使用の真空成形品は三光ライト工業にお任せください

三光ライト工業は高度な真空成形技術でお客様のご要望にきめ細かく対応します。PET成形品の実績も極めて豊富です。弊社は金型製作(真空成形金型と木型を除く)から試作品、量産に至るまで国内自社工場で一貫対応しますので、短納期、低価格で製品をご提供します。弊社はプラスチック成形はもとより、「アッセンブリ(組立加工)」にも幅広く対応可能です。塗装、印刷などの二次加工はじめ簡単なアッセンブリやパッケージ品も一貫で製作しています。弊社は保管・搬送・搬入用トレイやブリスターパック、携帯電話筐体、携帯電話電池カバーといった身近なものから車載用内装部品、防水コネクターカバー、アミューズメント関連部品など、幅広い製品をご提供します。全自動射出成形機や全自動2色成形機、3Dスキャナ型3次元測定機を含む測定器類、金型製作機器、NC加工機など、弊社の充実した設備や沿革は弊社のホームページまたは会社案内をご覧ください。ご連絡お待ちしています。

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